中央支部は、東京都の中小企業の印刷会社を中心とした工業組合である東京都印刷工業組合の1支部です。令和６年に同じ中央区にある京橋支部、日本橋支部が合併して、中央支部となりました。 

東京都印刷工業組合には、東京の各地区別に９支部がありますが、面積としては最小ながら印刷発祥の地として中央支部は、多くの組合企業をかかえ、常に中心的な役割を担っております。 

その歴史は古く、旧京橋支部、日本橋支部ともに創立は大正12年で、東京印刷同業組合京橋区支部、日本橋区支部として発足しました。令和5年には両支部とも100周年を迎えました。 創立当時は、9月の支部発足を前に、死者9万1344人、全壊焼失46万4909戸の関東大震災に遭遇し、全支部業者が壊滅的な被害を被りました。とりあえず支部として発足したものの、第1回支部総会が新富町で開かれたのが大正も末期の14年7月10日と記されている（京橋支部史）ことからも、灰塵の中から立ち上がった先人たちの苦労のほどがしのばれます。 

やがて昭和の大恐慌、第2次世界大戦そして敗戦。戦後は政治経済の困窮、混乱の中、再建と高度成長の未曾有の歴史を歩んできましたが、平成の今日は、長引く不況に、押し寄せるデジタル化、ボーダーレスの時代と、われわれ中小企業は、今まで以上に厳しい淘汰の時代に直面していると言えるでしょう。 

1445年、ドイツのグーテンベルクによって活字合金が発明され、印刷の基礎を確立してから約580年、印刷技術は今日、急激なデジタル化、ネットワーク化で、その姿を大きく変えようとしております。AIソリューション、マルチプラットフォームの叫ばれる現在、印刷も単に紙だけの媒体から脱し、電子媒体への拡張が盛んに行われております。まさに100年を越す歴史をも凌駕する時代の変革期にあって、そのレボリューションに少しでも寄与できればと願う次第です。